温故知新 『感受性訓練−Tグループの理論と方法』より 第6章 Tグループ理論の現状 J.R.ギッブ要約

●今週は『感受性訓練−Tグループの理論と方法』より6章Tグループ理論の現状を読み返してみた。改めて私のような実践家にとって、理論や研究といったものが実践を導いてくれるものであるかを再確認している。ここでは実践家にとっての理論の意味について書かれた部分を要約しておきたい。

 

●以下要約

「まず理論はTグループで取りうるいくつかの行動の選択肢を明らかにできる。どの程度意図的に働きかけるか、どの程度個人のレベル・集団過程のレベルで働きかけるか、どれほど「いま・ここで」あるいは「あのとき、あそこで」という立場でふるまうか、自分自身や他者の敵意をどの程度までかきたててよいのか、自分の感情・態度・動機づけはどこまで露呈してもよいのか、成員や自分自身に対してどこまで庇護的であればよいのかなどである。

 

 論文で明らかになる第二の選択肢はTグループの目的をどこにおくのかにある。例えば治療なのか、技能の開発なのか、行動の変革なのかである。第三の選択肢はトレーニング・コミュニティの形成において、Tグループをラボラトリーの中にどのように組み込むかである。ただ上記の指針となる研究を見出すこと困難である。これらの論文は、トレーニングの手引きを与えはしない。

 

 トレーナーはトレーニングの理論が彼らの理解している行動科学や社会科学の全知識体系にも合致し、さらに自己の価値体系や存在論との統合をもたらすことを期待してよい。これはグループに自己を投入するトレーナーには必要とされる。対人的役割、成長と精神的健康にも不可欠である。」

 

●特に私が感じたのは要約の最後の部分に書かれた理論と知識、そして「自己の価値体系や存在論との統合」についてである。こうした活動をしていると、自分の存在にも関わる「何のために」という問いに答えざるを得ないし、次は知識や理論に基づく「どのように」にも答える必要がある。これを統合していくことが実践家には求められるように感じている。

 

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