今の私の経験による自己概念の修正・変容

●5日の仕事始めの日に、昨年に引き続き私が支援している高校の教職員40名ほどの人と「あなたがあなたと出会う」ということについて思い巡らせる時間を持った。コロナの感染者が増えている中だったので、本当にやっていいか悩んだが、いつも同じ職場で働いている3人だけでコミュニケーションするということにして実施した。

 

●この学校は中学時代不登校になった生徒が、安心できる環境の中で自分らしく成長することを支援している。今回の研修はライフラインなど自分の一生をふりかえる実習に取り組みながら、今ここの経験を大切にすることで自己概念を変容し、自分らしく成長できる、つまり「あなたがあなたと出会う」ことが可能になると言うことがテーマだった。

 

●研修の前やラボラトリーではよくあることなのだが、今回も2~3日前から研修についての「身体の感じ」が生まれてきた。それで夜中に起きてその感じを言語化する作業を何回もせざるを得なかった。というのも私の体験から言うと、こうして生まれてきた身体の感じは、私が本当に伝えたいことを教えてくれることが多いからである。

 

●私がこの身体の感じから気づいたのは次のようなことである。私は職業生活の始まりを銀行員からスタートしたが、その時は一流大学を出て、一流企業に入り、他の人よりもできるエリートであることに価値があると言う自己概念を持っていた。そのため銀行に合わないなと感じる「今ここの経験」をわがままと考え抑圧してきた。

 

●本当にこれでいいのだろうかと言う思いは年々強くなったが、それでも「他の人よりよくできないといけない」と言う自己概念を修正することを一人ではできなかった。身の回りの人が皆そうしたことを大事に思っていたからである。しかし20代の終わりにラボラトリートレーニングに参加し、その後「今ここ」を大切に生きる人と関わるようになった。

 

●そして今の私の師匠や妻と出会ったが、彼らは「他の人よりよくできる私」ではなく、「本当にいいのだろうか」と思い悩む今の私を大切に尊重する関わりをしてくれた。その中で私自身が今の私(今ここ)を大切にすることを学ぶことができた。自己概念の変容による成長は、他者からの支援なしには難しいのだ。これが明確になって腑に落ちた。

 

●研修ではこの気づきを丁寧に伝えたのだが、まだアンケートを受け取ってないので、受講者にどう響いたかはわからない。でもある人が終了後すぐ来てくれて、自分も自己概念にこだわっていたこと、「あなたがあなたと出会う」ということがわかったと言ってくれた。今この学びが必要だった人がいたのではないかなと感じている。

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