新型コロナウィルスと私〜コロナによる精神的不安と「今ここ」

●今私の住む大阪では、新型コロナウィルス感染症が広がりを見せている。ついに重症病棟の看護師さんが足りなくなって、自衛隊から派遣してもらわなければならないほどになった。死者数も12月9日時点で380人と、全国の15%を占める。人口は7%くらいなので、死亡率はかなり高いと言えるだろう。

 

●私の身の回りでも次々と感染が出ている。私の支援している学校でも陽性者が出たし、私の子どもは塾の先生をしているのだが、先週教えている生徒さんの中に陽性者が出た。それで彼は高齢の祖母(私の母)に感染させないため、急遽近所のアパートに引っ越すことになった。

 

●こうした状況の中で私は先週、かなり精神的にしんどくなり、自分でもうつ的な状態になって、周りにも迷惑をかけているなと感じることがあった。その原因としてまず感染拡大の中で家族を感染から守れないのではという恐れがある。感染拡大に対する対策の遅い政府や行政への怒りもある。

 

●また私が支援している組織でも、普通に仕事が行われていて、そこではテレワークはほぼ私一人という状態にある。そのため申し訳ない気持ちやそれでもテレワーク大事やん、と言いたい気持ちが葛藤を起こす。周りを見てもあまり怖がっていない人も多く、私だけが怖がっているのかとまた不安になる。

 

●こんな感じで一週間を過ごし、先週末これではいけないとふりかえりをした。そして今週は「心安らかでいる」ということを一週間の目標にして計画を立て臨んでいる。まず先週は怖くて自粛したテニスを再開した。これは何も考えないで屋外で体を動かす機会になっていて、精神的にプラスになっている。

 

●またニュースに接しすぎないように、夜意識してアニメを見たり、軽い本を読んだりしている。大阪府がようやく医療緊急事態を宣言し、不要不急の外出を控える呼びかけをしてくれてホッとしたこともあるだろう。だんだん不安が薄れてきて、昨晩は改めて「今ここ」を大切に生きて、あとはどうなってもいいやと安らかさを感じられるようになった。

 

●幸いもう還暦に近く、若い頃のように世の中を無理して回す必要はなくなりつつある。「今ここ」を大切にして仕事がなくなるとしても、まあなんとかなるだろうと思える。そして「今ここ」を大切にして万が一感染しても、それは本当にやるだけやってのことだからまさに仕方がないことなのだと諦められる。

 

●そして何より自分の中で「今ここ」で起きてくるものの存在感が何やらとても信頼できるように感じられたことが大きい。私は難しく考えすぎる必要はなく、ただ「今ここ」で起きてくる感じや気持ち、想いなどを大切にして生き、それが生み出す結果をそのまま受け入れればそれで良いと思えたのだ。

 

●こうして「今ここ」に委ねる心の有り様は、私はラボラトリートレーニングで学んできたものである。それはこれまでも私を導いてくれるものであったが、こうして大きなストレスのかかるコロナ禍の中で、私にとって唯一頼ることのできるものとして重要性を増しているように感じられる。

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