オンラインでの体験学習の研修

●コロナ感染症が再拡大する中、初めてラボラトリー方式体験学習を使った研修をオンラインで行う体験をした。対象は山梨のある病院に新しく入られた看護師さん達である。もともと5月に清里の清泉寮で宿泊研修を行うはずだったが、このコロナ感染症のおかげで中止になりこの研修になったものだ。

 

●オンライン研修といっても感染拡大地域である大阪にいる私だけがオンラインで、スタッフや受講者は病院の一室に集まる形である。こうしたオンライン研修で、私が最も危惧したのは受講者の安全であった。つまり私が現地に行かない状況で、受講者への侵襲性をどうなくせるかである。

 

●体験学習では主催者側が計画した実習に取り組んでもらう際、またはグループダイナミクスの中で思わぬストレスがかかることがある。また少し学びへの参加が真面目でないと見える時、スタッフのかかわりいかんでは侵襲性が生じる。こうした時、傷つき体験になることもあるので安全性の担保が必要なのだ。

 

●またオンラインでは研修中に少し声をかけたり、グループワークの際にちょっと助けたりということもできない。実際、オンラインでは一人一人の顔は見えてもグループで何が起こっているのかはほとんどわからない。こうした役割をどうするかも問題だった。

 

●それで事前にこうした懸念を率直に伝え、先方と綿密に打ち合わせをした。そして昨年清泉寮での宿泊研修をご一緒し、体験学習を経験してもらっている教育委員の方々と一緒に企画を立て、運営することにした。また精神科に勤める心の安全に関する専門性を持った看護師さんに参加してもらうことにした。

 

●またコロナ感染症に対する対策もしなければならなかった。グループワークをするかどうかも議論したが、当然マスクをした上で、2時間と時間を区切り、グループの人数を少なくすることで実施することにした。現地での感染状況を見ながら最後までギリギリの判断だったが、幸い実施できた。

 

●こうして実施してみて私は、まず何より受講された1年目の看護師さん達に、同期の人とこうして何気ないコミュニケーションを楽しむ体験がとても必要とされていたのだと感じられた。現地の病院のスタッフにも、こんな芯からの笑顔を初めてみて安心したと感じられたようだ。

 

●コロナ感染症が蔓延する中で、いつものように先輩と飲みに行く機会もない。雑談することも著しく減っている。こうした中、ふと困った時に自分から先輩に声をかけたり、同期に話を聞いてもらったりすることも難しくなっていて、一人で抱え込んでしまいがちとなる人もいたのではないかと感じる。

 

●こうした中、研修という枠を作ることで、「何気なく他者と話せる」ということが実現したのだと思う。だからこんなに嬉しそうだったのだ。そして今ここで起きてくる気持ちや想いを大切にして、自分を少し開いてかかわることの重要性も感じられたのだと思う。

 

●私はこうした研修を企画する際、ついオンラインで体験学習を実施するリスクの方に目がいってしまう。しかし今回、現地のスタッフとチームを組むことで大きな懸念を抱くことなく実施できたし、何より受講者の様子を見て、実施しないリスクを強く感じることができたように思う。

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