社会的接触と身体1

●緊急事態宣言で家にいることが多いが、気分転換と運動不足解消のために毎日昼食後一時間ほど外に出てジョギングをしている。同じように過ごしている人が多いのだろう、近くの公園は結構な人出である。それで3〜5mの距離を保つために、人を避けて走ることを意識している。

 

●考えてみるとこの新型コロナウィルスが流行し始めてから、「人と近づくのを避ける」ことが私の習い性になってきているように思う。電車に乗るのを避けて自転車で通勤しているし、会議で集まっても1m以上は距離を取るようにしている。宅配便の人とさえ、できる限り近づかないようにしている。

 

●逆に満員電車で出勤をせざるを得ない人や、三密の職場環境にある人などからは不満の声が聞こえてくる。その人たちは感染リスクの高い、「望まない社会的接触」を強要されているように感じているのだ。このように社会的距離が取れないことは「リスク」であるとはっきりと認知され始めているのだ。

 

●このコロナは、人口の70%が免疫を持つようになるまで続くと言われている。またはっきりと「これで終わり」というものでもないので、感染症への警戒は長期に渡って続けられるだろう。そうするとこの「社会的接触」は社会にとって重要なキーワードになるように思える。

 

●例えば就職先を選ぶ時、テレワークの体制が整っている会社と満員電車での通勤が必要な会社だとどちらを選ぶだろうか。社会的距離を取れるオフィスを持つ会社と三密の環境しかない会社だとどうだろうか。多くの人が前者を選ぶようになるに違いない。

 

●今言われているエッセンシャルワーカー(スーパーのレジの人や宅配の人など)は社会的距離が取れない仕事といってもいい。こうした仕事に自ら就こうとする人は、よほど使命感を持つ人以外は少なくなるだろう。ロボットやAIなどはまずこうした仕事を代替するかもしれない。

 

●このことは学校でも同じだと思う。何十人も同じ教室に詰め込んで授業をする学校は、選ばれなくなるだろう。すでに起こっていることだが、先生たちは生徒間の社会的距離が取れるように授業を工夫し、身体接触やグループワーク、合唱なども避けられるようになるだろう。

 

●これは「社会的距離」が人の権利の一つとして認知され、マーケティングツールになり、そのためのロボット開発などが行われるといった製品開発コンセプトになることも意味している。また人の成長に関わる学習面でのキーワードになることを意味している。

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