死を見つめる心

いま岸本英夫さんの『死を見つめる心』を読んでいます。Add Star

死を見つめる心 (講談社文庫)

死を見つめる心 (講談社文庫)


これは随分前の本ですが、宗教学者だった岸本さんがガンにかかり10年間の闘病の中で、死と向き合いながら書かれた本です。人生の午後を迎え、自分の死について目をそらすことのできない年になっている私にとって大切なことが書かれていました。


まず岸本さんは私のような立場の者と、病気等で余命が限定されてしまった状態では大きな違いがあると言います。それが「生命への飢餓感」です。死に向かってはいるがまだ余裕のある状態とは異なり、余命がはっきりと限られると、「空腹」と全く同じような命への飢餓感が猛然と湧いてくると記されています。空腹に耐えることが苦しい様に、生命の飢餓に耐えることも苦しい。これは覚悟が必要だなあと感じます。


また岸本さんは、死を「大きな別れ」ととらえる見方を提示しています。引っ越し、転職などいろいろな別れがある時、私たちは相当の準備をします。しかし死という大きな別れに際して私たちは十分な準備をしないことが多い。それでは「よい別れ」ができないというのです。


この準備の一つが、自分がそれによって死ぬことができる「生死観」を持つことです。岸本さんは宗教学者の立場から4つの生死観の類型をあげています。


1、肉体的生命の存続を希求するもの 例 不老長寿、ミイラ

2、死後における生命の永続を信じるもの 例 霊魂不滅 死後の生命 輪廻

3、自己の生命を、それに代わる限りなき命に託するもの 例 経済 会社 子孫など

4、現実の生活の中に永遠の生命を感得するもの 例 時間を超えた永遠感 禅


自分がそれで死ねると確信できる生死感を持っているのかどうか、今のうちに準備しておかねばならないと感じています。

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